# 第29章: 技術的負債の整理 [English](README.md) | 日本語 [前の章: 第28b章 — 分離コンパイル](../chapter28b/README.ja.md) この章では、コンパイラを読みやすく、変更しやすく整理します。 最初の変更は、3,000行を超えたパーサを 文法のまとまりに沿って `parser/` パッケージへ分割することです。 `Parser` がカーソル、スコープ、型の登録情報を持ち、各部品は `Parser P` を 共有します。構文解析は引き続き Sea-of-Nodes IR を直接生成します。 `Var` は `parser/` に、反復ピープホール最適化の `IterPeeps` は `codegen/` に移ります。 [パーサの構成(英語)](src/main/java/com/seaofnodes/simple/parser/README.md)と [文法と実装の対応表(英語)](docs/29-grammar.md)からコードをたどれます。 インスタンスのフィールドは、初期化中も通常の Load と Store を使います。 各終了経路のメモリは Return に統合し、最後に全フィールドを再格納する処理は行いません。 未初期化のフィールドは `TypeScalar.BOT` で表し、meet でも未初期化の分岐が残ります。 通常のメモリ型の前向き解析で初期化を確認します。詳細は `Construction.java` の クラスコメントに記載しています。クラスのシングルトン初期化は従来の方式を維持します。 ソース上のプライバシー制約は今回は追加せず、[ロードマップ](../docs/roadmap.md)に残します。 [構築グループの実験(英語)](docs/construction-groups.md)では、コンストラクタの `C ^arg` 引数で未完成の参照を渡せます。未完成の引数を受け取る new の結果も未完成です。 `TypeMemPtr` の修飾子を通常の型解析で伝播し、一時的な `ConstructNode` が 各 new の実引数から結果の修飾子を計算します。 未完成のオブジェクトのフィールドは self 以外から読めず、通常の関数呼び出しには 完成した参照が必要です。フィールド要件の推論は後回しにし、対応するテストを保存しています。 `^` を使うコンストラクタの分離コンパイルは未対応です。 リポジトリのルートからビルドとテストを実行します。 ```sh make lib tests release CHAPTERS=chapter29 CTAGS= ``` IntelliJ では `chapter29` モジュールと **chapter29 tests** 実行設定を使用します。 ネイティブ実行を使うテストの前に、Make でランタイムと `sys` ライブラリをビルドしてください。